スタインウェイ家の物語

スタインウェイピアノは、創立者に始まるスタインウェイ
一族が150年余にわたって、“できうる限り最高のピアノを”
という情熱をそのピアノづくりに脈々と受け継いだ結晶として、
今日ここにあります。たゆまぬ技術革新、優れたクラフトマン
シップ、比類なき響きをもって、世界で最も愛好されるピアノを
つくり続けてきたスタインウェイの歴史は、スタインウェイ家の
物語でもあります。



創立から現在まで

創立者ヘンリー・E.スタインウェイは19世紀半ば、当時としては老年ともいえる53歳という年齢で
家族を伴ってドイツからアメリカへ渡り、3年後には息子たちとともにSteinway&Sonsを設立、新たな
地で新たなピアノづくりに果敢に挑戦しました。

ヘンリー・
エンゲルハート・
スタインウェイ
(1797-1871)
ウィリアム・
スタインウェイ
(1835-1896)

ヘンリーの4男、ウイリアム・スタインウェイは父とともにアメリカへ渡ったときは16歳、家族の誰よりも
早くアメリカ社会に適応しました。時代を読む先見性とビジネス感覚に恵まれ、父ヘンリーの後を継ぐや、
スタインウェイピアノの名を広め、その名声を高めることに大いに貢献しました。また、アントン・ルービンシュタイン
やイグナス・ヤン・パデレフスキーなど著名なピアニストとの交流を深め、偉大なピアニストとともに歩むスタイン
ウェイの伝統の礎を築きました。後にニューヨークの文化と音楽の中心となったスタインウェイホールをつくり、
音楽界に占めるスタインウェイの地位を更に確かなものとしました。

ウイリアムの息子、セオドア・スタインウェイに引き継がれたころには、スタインウェイピアノとスタインウェイ家の
名は世界中に広まっていました。長きにわたってスタインウェイを率いたセオドアは、大恐慌や第二次世界大戦
などに遭遇するその困難な時代に、堅実なリーダーシップを発揮して、スタインウェイの名声を保持し、ますます
不動のものとしました。

セオドア・
エドウィン・
スタインウェイ

(1883-1957)
ヘンリー・
ツィーグラー・
スタインウェイ
(1915-)

セオドアの息子、すなわち創立者の曾孫にあたるヘンリー・Z.スタインウェイは、1955年父の後継者となりました。
先駆者たちから受け継いだクラフトマンシップを自ら工場で学ぶことからスタートし、製造工程に始まる様々な改善を
図って更なる革新を試み、スタインウェイピアノを以前にも増して輝かしいものとしました。

1977年、Steinway&Sonsを初めてスタインウェイ姓以外の手に委ねる決断をした後も、スタインウェイピアノ及び
スタインウェイをめぐる人々を熟知する人物としてスタインウェイホールで執務し続けています。

今やヘンリー・Z.スタインウェイは世界の音楽業界で賞賛される伝説的存在として、人々の変わらぬ敬愛を
受けています。